福島県立美術館「東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展」
若冲だけの若冲展が開催されると聞いて弾丸で福島へ行ってきました
江戸中期、独学で自らの画風を創り上げた天才絵師“伊藤若冲”の単独展となっており、全国の美術館、博物館、寺社、個人所蔵の作品のほか、海外美術館所蔵作品を加え、約110点を展示、若冲の生き様や人柄が伝わる展覧会
最近、日本画の美術展が多く開催されていて足繁く通っているのです
今回はお気に入りを10作品ほど厳選してお送りしていきますね
本当は全部ご紹介したいくらいなんですが…
《白鶴図》
羽の1本1本、波頭、薄く細い線で繊細に描かれる
《老松鸚鵡図》
胡粉を薄く重ねた羽、漆を重ねて描く生命力のある瞳
《猿猴捉月図》
親子猿の姿、愛らしい表情、可愛らしさNO,1
《鶏図押絵貼屏風》
若冲といえばの鶏図、これぞ若冲、墨の質感、筆致の質感、素晴らしい
鶏の足元に一筆で描かれた地面が絵に奥行きをもたらす
《群鶏図》
絵から飛び出できそうな迫力で筆致の1つ1つが素晴らしい、左幅の見得を切る雄鶏の姿に心鷲掴みされました
今回の展覧会で1番好きな作品でした
《付喪神図》
墨の濃淡のみで表現し尽くされた闇の中から浮かび上がる付喪神たち、技力はもちろん、ポップでアート的なとても好きな1枚
《雷神図》
太鼓を落として拾おうとしたら自分も雷雲から落ちたらしい
拗ねてるっぽい顔をした間抜けで可愛い雷神様と濃墨で大胆に描かれた雷雲との上下の筆致の対比が面白い
《三十六歌仙図押絵貼屏風》
ユーモラスに描かれた三十六歌仙、とぼけた顔のへんてこな人々は観ていて楽しい“へそまがり”
*へそまがり展のレポートも早急に書きますね
《髑髏図》
黒の背景の中に浮かび上がる髑髏
カッコよくてデザインとしても素晴らしい
《百犬図》
若冲最晩年、人生の最後に描き上げた禅の祈りの世界
59匹の可愛らしい様々なポーズをとる子犬たち、毛の1本1本まで細緻に表現
“丹精活手の妙 神に通ず” 印が押されてある作品は若冲自身が最高傑作と自負のあるものだったのではないか
若冲作品で判が押されている作品は4つ、そのうちの1作品
繊細で迫力のある若冲を墨画中心に堪能して参りました
観に行くことができてよかったです