雪中の狩人終幕

遅ればせながら…

 

 

『雪中の狩人』

30日に予定していた千秋楽は台風のため公演中止となってしまいましたが、

全7公演無事に終幕いたしました。

ご観劇いただきありがとうございました。

 

 

さて、
何と書き出そうかとても悩んでいます。

とても不思議な感覚で、もう舞台は終わってしまったのに、私だけが舞台の上に取り残されているような…

私の一部分が直子となって毎日毎日あの2日間を繰り返しているような…

そんな感覚の中に漂っています。

私の場合、大抵は千秋楽が終わると、その役は抜けていってしまって、セリフなんかもすぐに忘れてしまうものなのですが…

台風に取り上げられた千秋楽が尾を引いているのでしょうか?

とても不思議な感覚で、初めてのことでとても困っています。

このblogが感情の整理のきっかけになればいいのですが…笑

 

 

 

 

 

私は軽井沢の山荘 “ホワイルパレス” の女主人《間宮直子》を演じさせていただきました。

私から見た彼女はとてもとても弱い人でした。

過去を忘れようとすることでしか自分を保てない人。

忘れようとすること自体が囚われているということに気付けていない可哀想な人。

もしかしたら、そうして囚われることが自分に対する罰だと心のどこかで思っていた部分があったのかもしれません。

結局、彼女は忘れることなんて出来ていないのですから…

“人生には色んなことが起こるの、それに耐えて行かなくちゃいけない、何事もなかったように平然と”

“やればできるわ”

この言葉が彼女の全てで、いつも自分に言い聞かせている言葉だったのではないかと思います。

ラストシーンでも“大丈夫よ”と笑顔を作り、また心に鍵をかけて忘れてしまおうとする

だから正平の旦那様の

“思い出したくないことは全部俺に話して忘れちゃえよ、代わりに俺が覚えておくからさ”

この言葉にどれほど救われたでしょうか?

彼女はきっとまた心に鍵をかけて生きていく、でも彼女の隣に彼がいることで乗り越えてゆけるかもしれない…

物語では表されていない彼女のこれからの人生が幸せであればと願っています…

 

 

 

 

直子の心の内面をお話ししてきましたが…

これはミステリーです。

謎解きのお話しをしなければ…

お稽古が始まったときのblogかな?にも書いたのですが、今回は何しろト書きがとても多くて…

観てくださった方はわかると思うのですが、直子は部屋を出たり入ったり、ラジオを消したり付けたり、電気を付けたり付けたり…

少しもじっとしてやしない笑

その中で皆さんにきちんと伝えられるように、自分の中での直子のポイントとなる部分において割とわかりやすい反応を心がけました。

今回は登場人物全員の裏芝居がとても多くて、各々で反応するポイントが細かく作り込まれた作品だなと思っていて、それを全て知るには全部で8回、それぞれの人物にスポットを当てて観る必要があるんじゃないかと思うくらい…笑

これは私個人の見解なのですが、面白いミステリーにおいて、登場人物全員が怪しいって必須だと思うのです。

主役だから犯人じゃないんでしょ?

ではなくて、

犯人じゃないよね? でもやっぱり…

くらいにはせめて疑わせたい。

そう思って演らせていただきました。

その結果が

“最後まで犯人がわからなかった”

“まさかの展開”

“騙された”

と、皆さんからいただいた嬉しいご感想なのだと思っています。

中には直子を犯人だと思ってたという声も聞けて、私は毎回、皆さんの感想を聞くたびに心の中でガッツポーズをしておりました笑

 

 

 

 

そして割と好評だった夫婦喧嘩のシーン

あそこは完全に旦那様役の宇野さんのおかげです。

ある日突然、正平が直子に対してもの凄く怖くなったんです…

不安と恐怖で支配され始めている直子にとって、あのときの正平の言葉や態度は、感情が抑えられなくなってしまう引金になりました。

あのシーンは本当に本当に怖くて、体中の震えが止まらなかったり、横溝さんが棚をガタガタする音が全く聞こえなかったりと、自分でも側から見たら絶対イかれてるんだろうなと思うくらい笑

今回、不思議なことに役者同士で自分の役について話すことをあまりしなかったんです。

それは旦那様役の宇野さんともそうで、あんなに絡みがあるのに殆どのことを話し合わなかったんです。

“お互いの過去を何も知らない”ということが脚本の前提であったからというもこともありますが…

私が好き勝手に感情のまま演ることを許してくれて、私の直子を受け入れてくれた。

今思えば本当に申し訳ない話しなのですが…

宇野さんが居なければ私の直子は居なかったと思っています。

感謝してもしてもしたりません。

 

 

 

 

長々と色々なことを書いてきましたが…

最後に1つ

毎公演、毎公演、本当に恐怖で体が潰れるかと思うほど、徐々に追い込まれていきました。

後半は“怖い”以外の感情がどこかに消えたんじゃないかってくらい恐怖で支配されていました。

追い詰められた子豚ってこんな感じなんだ…

 

私が最後の1匹だ…

 

直子が舞台の上で感じていたこの恐怖を皆さんに少しでもお伝えできていましたら、皆さんが直子と同じように恐怖を感じてくださっていましたら、私にとってこれ以上ない幸せです。

 

素晴らしきアガサクリスティーの世界を皆さまにお届けできていますことを願って…

 

改めまして、

ご来場くださいました皆様ありがとうございました。

たくさんの差し入れもありがとうございます。

いつも本当に感謝でいっぱいです。

 

脚色・演出の藤森さん

プロデューサーの須田さん

ご一緒してくださった蜘蛛の巣&雪中の狩人の座組の皆さま、

関係者各位の皆さま、

ありがとうございました。

最後に、頼りない主演に文句1つ言わず笑顔で支えてくれた、一緒に雪中の狩人の物語を作り上げてくれたC班の皆さま、

本当に本当にありがとうございました。

 

 

 

この物語の結末は誰にもお話にならないでください…

『雪中の狩人』これにて終幕

 

稽古場稽古終了

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